皆さん、こんにちは。ブルースです🦇
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成年年齢の引き下げが行われ、2022年4月から現行の20歳から18歳になります。
この見直しは約140年ぶりとのことで1大イベントです。
同時に学生への金融教育の在り方も見直され、同年4月からは高校の家庭科の授業で金融教育が開始されるようになります。
それもそのはず、今後は
- 携帯電話を契約する
- 1人暮らしの部屋を借りる
- クレジットカードを作る
- ローンを組む
これらのことが個人の判断で可能になります。
当然、自分の判断でできるということは個人が責任を負うことに!
現状の成人ですら、大人になってから多数のお金の失敗をしますから、早い段階での教育の重要性がますます高まることでしょう。
ざっと内容をみてみましたので、個人として少しだけ所見を述べます。
- 資料の出来はとても良い。大人にも見て欲しいレベル。
- 考えられる問題点(先生が指導できるか、金融機関が利益度外視で教えられるか、各家庭で補完できるか)
目次
YouTube動画でも解説!
当記事の内容はYouTubeでも動画配信しています。
実際の資料を一部抜粋し解説していますので、ぜひご覧ください。
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資料の出来はとても良い。大人にも見て欲しいレベル。
どんなツールが使用されるのか?
ちょっと気になったため見てみましたが、結論、金融庁作成の資料の出来栄えが素晴らしいです。
資料は以下のURLから確認することができます。
資料は全体パッケージ版で100枚を超えるスライド(ダイジェスト版でも50枚以上)になっており、かなり作りこまれています。
高校生だけではなく、大人でも学べる内容満載です!
目次
目次はこのようになっています。
- 家計管理とライフプランニング
- 「使う」
- 「備える」~社会保険と民間保険
- 「貯める・増やす」~資産形成
- 「借りる」
- 金融トラブル
- まとめ
各項目がどんな内容になっているかざっくりと解説します。
家計管理とライフプランニング
この章では、
- 生活するのにはどんな費用がかかるか
- 収入と手取りの違い
- シミュレーターを使った家計管理
- ライフプラン、将来設計について学びます。
学生から社会人になると、家計管理が最初の一歩ですね。
収入-支出=貯蓄
ですから、まずはじめに取り組むべきポイントといえます。
まずは適切な家計管理から!
収入と手取りについても確認します。
社会人になりたての頃は、給与明細をまじまじと見る人は少ないのではないでしょうか?
ちなみに私もそのタイプでした・・・
支給された給料から社会保険料と税金を抜いて残ったものが手取りになります。
どれくらい税金や社会保険料を払っているか知っておくことはとても大切です。
給与明細って結構ちゃんと見ないですよね。若い時はそうでした・・・
他には雇用の違いで給料がどのくらい変化するのか確認したり、ライフプランシミュレーターを使って、自分のライフプランを計画してみるなどもあります。
「使う」
使うパートでは、「ニーズ」と「ウォンツ」について話します。
「必要なもの」と「欲しいもの」が区別できないと余裕のある家計にはなりません。
必要なもの>欲しいもので考え、欲望に優先順位をつけることは貯まる体質作りには欠かせません。
また家計管理のポイントとして先取貯蓄がオススメです。
×・・・収入-支出=貯蓄
〇・・・収入-貯蓄=支出
先取貯金は最高の貯蓄方法です!
他にはキャッシュレスについても解説されていました。
高校の授業で「いまお得な電子マネーの解説」とか「一番ポイント還元がよいクレカ」などの授業がもしあれば楽しそうですよね!
大人の事情で実現は難しいかもですが。。。
いまは現金払いのメリットなんてないに等しい。
「備える」~社会保険と民間保険
備えるのパートでは、人生における様々なリスクの話があります。
それらに対する備えとして、日本には社会保険制度という基盤があり、自分ライフプランによって資産形成と民間保険を組み合わせることが大切です。
個人的には8割方の民間保険は、資産形成をしっかり行っておけば不要(むしろ資産形成上は不利になる)と考えていますが、学校での教え方がどうなるか気になるところです。
日本は皆保険が本当に素晴らしいので、民間保険は本当に必要な場合に低コストのものを選ぶだけで十分!
「貯める・増やす」~資産形成
「貯める・増やす」のパートではかなり重要な話がボリューム沢山です。
- 資産形成が必要な理由
- 利子と金利
- 単利と複利
- 金利の推移
- 金融商品の特徴
- リスクとリターンの関係
- そもそも投資って何?
こんな感じで、高校生だけでなく大人でも学びはじめの方にはオススメできる内容になっています。
ここのパートは大人でも見どころ多いです!
単利と複利の違い、子供に聞かれたら説明できるでしょうか?
また株式や債券を通じた「投資の社会的意義」も子供には説明できるようにしたいところです。
投資したお金は経済活動に使われて、自分たちの生活も豊かになるし、リターンとしてお金が増えて帰ってきてさらに生活が豊かになります。(もちろんマイナスになることもあります)
若いうちから投資の重要性を理解して当たり前なものとして取り組めるようになると、子供たちはより豊かな将来を描けるのではないでしょうか。
私は、投資することは間接的な社会貢献になると思っています!
「借りる」
続いて「借りる」についてです。
クレジットカードでの支払いが当たり前になっている現在では、ローンやキャッシングの便利さや怖さについての知識も必修科目でしょう。
20万円を金利16%で借りて、毎月5,000円を返済すると完済まで何年かかるでしょうか?
わかるかな!?
答えは約5年ですね。
20万円をリボ払いで上記の条件で借りた場合、
合計返済額は287,670円。利息だけで87,670円にもなります。
こんなお金の借り方をしていては、いつまで経っても資産形成はできません。
ほかにも奨学金についてや、大学の学費についての資料もあり、こちらも見どころが沢山です。
全ての借金が悪いとは限りませんが、良い借金と悪い借金の区別はつけられるようになりたい!
金融トラブル
最後には金融トラブルについて説明があります。
SNSやニュースでも詐欺などの情報が絶えません。
記憶に新しいところだと、先日も仮想通貨の詐欺のニュースがありましたね。
『暗号通貨投資アドバイザー』名乗る男の勧誘手口を徹底取材…音声も入手 1000人から15億円以上集めたとみられる逮捕された男とは
大人でも騙されるくらいですから、18歳で新成人になった方が騙されても何ら不思議ではありません。
まず抑えておきたいのは
- おいしい話はないということ
- 各金融商品のリスクとリターンの平均値をしっておく
- 人から聞いた話は要注意
このあたりではないでしょうか。
金融リテラシーを高めれば、騙される確率も下げられる!
各パートがYouTubeでも視聴可能
他にもYouTubeでも各パートの内容を見ることができます。
動画でも確認してみよう!
考えられる問題点
この金融教育はとても良い取り組みで、ぜひとも推進、強化してほしいところですが、課題も沢山ありそうです。
いくつか考えられることをあげてみました。
先生は正しく教えられるか
日本人の多くが資産運用についての知識や経験が乏しいという現実がある以上、これは多くの先生にもあてはまると考えられます。
資産運用は実践を通じた経験がとても大切です。
知識や理論だけ伝えたところで、自分自身が投資をしていない人が子供たちに納得感のある説明ができるかはちょっと疑問ですね。
できれば教師が率先垂範して資産運用を行うことで、ご自身の体験談などを織り交ぜて指導できるようにするのが望ましいのではないかと考えます。
部活やったことない先生が部活の指導しているような状態は良くない・・・
金融機関の人間は自分たちの利益度外視で関与できるか
教員だけでは教えることが出来ない場合、プロの助けを借りることもあるでしょう。
今回とは別の話になりますが、一部の高校では、金融機関の人間が資産運用の授業を行っているケースもあります。
これ自体は素晴らしいことだと思いますが、金融機関の利益は個人の利益とは相反するという事実があります。
銀行や証券会社の人間が
- 安易に手数料を払わないのが賢いお金の使い方
- アクティブファンドはインデックスファンドには勝てない
- 窓口で金融商品を買うと損しやすい
プロにお任せする場合、自分たちの利益度外視でこういった事実を正しく教えられるかは課題になりそうです。
自分たちのメリットになるように教えてしまうことがあれば、それは問題です。
楽天証券経済研究所の山崎元さんくらい堂々とモノ言える方が教えてくれるなら良いのですが。。。
山崎元さんは証券会社側の人間でありながら、著書「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください!」で堂々と、証券会社、銀行、保険会社の窓口で買うことの危険性を述べていて好感がもてます。
理論だけになり体験が不足しないか
最後に心配なのが、結局体験せずに終わってしまう可能性がないか?ということです。
私自身がそうであったように、学校で勉強したことは、実際の社会にでて使わなければ殆ど何の意味もありません。
どんなに授業で勉強しても
- 実践しなければ無駄になる
- 古い知識はすぐ陳腐化する
- 継続することで血肉になる
実施と改善を繰り返していくことで身についていきます。
これはこの資料で学んだことも、資産運用も例外ではありません。
ポイントは各家庭で実践機会を用意することでしょう。
- お小遣いやアルバイトを通じて得た収入を自分で管理する
- 高校生の頃から投資を実践する(親の同意があれば可)
- 18歳になったら自分で色んな契約を結んでみる
などなどですね。
投資信託をお小遣いから買ってみるとか、家庭でもできることは沢山ある!
まとめ
今回は、金融庁が作った金融リテラシー向上のための資料を確認しました。
私も3人の子供の親として、学校が本腰を入れて金融教育を行ってくれることに大きな期待を抱いています。
その一方で、全部を学校に任せても上手くいくはずもなく、各家庭での子供への関与は非常に重要です。
私たち大人が率先垂範して学び、実践することで子供たちに伝えていきたいですね!
この資料は、これまであまり金融について学んでこなかった大人がみて学ぶのにも適していると思います。
ぜひ一度見てみては如何でしょうか。
それではまた!